いつもお世話になっているT商店のN所長から、
新規取引先に伺ったらどうでしょうと言うことで
先日、M部長を紹介していただきました。
N所長が「面白い方ですよ」とおっしゃっていたので楽しみにしておりました。
次の日早速、教えていただいた番号に電話をかけさせていただきました。
M部長から、
『私は通常、三重の事業所に行っている。
金曜日に京都へ戻るので午前10時ごろに時間を作る。』
と言っていただけました。
様子では、工場を京都と三重に持っておられ
そこを行き来されているようでした。
約束の当日、私は朝一番に滋賀のお客様へお届けがあり、
そのお客様の工場から出るのが少し遅くなりました。
この時間からでは、10時に京都は難しくなりそうです。
そこで、M部長へ少し遅れる旨の電話を入れました。
『申し訳ありません、お約束させていただいた時間を少しこえそうなのですが…』
すると、声のトーンが急に上がり
『あなたが会いたいと言うからわざわざ10時に時間を作り三重から京都へ来ているのだ。
遅れるとはどういうことだ!』
「ああそうですか」という甘い対応をしていただけると考えていた私は
頭をバットで殴られたようなショックを受けました。
M部長のおっしゃるとおりだ。自分が会いたいと言って時間を作ってもらったのに、
その時間に遅れるとは…なんと自分本位なんだ、と冷や汗をかきながら
急ぎに急いで、あと15分程度で到着するところまで来ましたので
再度電話を入れることにしました。
ここで「もう結構、時間のルーズな業者とは会わない」と言われたら、
潔くあきらめようと思っていました。
しかし意外にも、電話の向こう口で「わかった。待ってます。」と言っていただけたのです。
階段を上り、事務所を開けましたら、
一目でその人だとわかるオーラを放ったM部長がおられました。
M部長は「どうぞ」とおっしゃって食堂のテーブルまで案内して下さいました。