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2012年6月18日

木塗装分野参入のお知らせ

当社は、創業50年にわたり基本的には
金属(特に光金物と呼ばれるステンレスや真鍮等)の表面処理や
塗装に従事してまいりました。
今後もスチールやアルミにも力を入れていく所存ですが
このたび、木(WOOD)の表面塗装分野に参入したく考えております。
(当然お客様の助けを借りてですが)
そこで、お客様からの宿題で
サンプル的に仕上げましたものの写真をアップします。

表面処理する前の木


左側:処理前の木 右側:着色後クリヤー塗装(磨き)


少し拡大


奥側:ライトブラウン色 
手前側:ダークブラウン色

3月頃にお客様(木材意匠及び家具の分野では超一流です)の所にお伺いし、
当社がエレベータ扉や3方枠のピアノ調塗装をしている話の中から
『木パネルのピアノ調塗装にトライしないか?』
という話を出していただいたのです。
金属の世界ですらまだまだの私どもが、
木材の世界の塗装にチャレンジするのは本当にどうかと
自問するときもありました。
設備は現状で大丈夫なのか?道具は?場所は?職人は?…
しかし、こんなとき 邱 永漢先生の一文を思い出しました。
(少し引用させていただきます)

  親の商売を受け継いだ時は、『攻撃こそ最良の防御』になる

 普通の商売では、親から子へ、子から孫へと
 代々家業を受け継いでいくケースが多いのですが、
 経営的には2代目、3代目の方がずっと難しい一面があります。
 ある意味で創業者以上の才覚が要求されるのではないでしょうか。
 親のやり方を真似て、漫然と同じ商売を続けているだけでは
 発展どころか現状維持さえ難しいでしょう。
 たとえば、フランス料理あたりの料理店はほとんどが1代限りなのです。
 店の代が変われば当然味の方も変化しますから、
 以前の味にひかれてきていたお客さんたちは
 寄り付かなくなってしまいます。
 かと言って、いかに息子といえども
 親とそっくりそのままの味を出すのは困難でしょう。
 その辺の事情をよく承知しているからこそ、
 血のつながった子供に跡を継がせないのです。
 これを逆に言うと、親から商売を受け継いだ子供は
 むしろ親と違ったことをしなくてはいけないということになります。
 経営方法の一つをとってみても、親のやり方をそのまま踏襲するばかりでは
 いずれ時流に合わなくなります。
 今の世の中はことに動きが激しいですから、
 旧来のやり方オンリーではなかなか通用しないのです。
 その意味で後継者たるものは、親から受け継いだ商売を
 守るというのではなく、常に発想の転換というか
 攻撃的な姿勢を打ち出す必要があるでしょう。

                邱 永漢 『商売の原則』からの抜粋

こういう考えを踏まえた方で、2代目・3代目がより商売を
大きくされて頑張っておられる例もたくさんあると思いますし、
私の近くにも2代目で工場をより大きく、
もしくは立派に経営されている方を何人も存じ上げます。

当社もその端くれです。
先代の道下は、無学ゆえがむしゃらに時代を走り
家族・職人の幸せのために頑張り、そして一流の職人として
偉そうな言い方ですが、一時代を築きました。
では、自分は何が出来るのか?会社をどうしていきたいと考えているのか?
何が職人やその家族の幸せにつながると考えているのか?
ここの部分は私がまだ鮮明に画像として見えない部分でもあります。
しかし、『攻撃こそ防御』という言葉を借りるのなら、
この木塗装分野への参入は私にとって攻撃になると信じています。
おそらく泣くことも増えるでしょう。
でも、笑えることもきっと増えるはずです。

光栄プロテックの木塗装分野参入に
皆様方ぜひご支援・ご鞭撻を宜しくお願いいたします。